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対象となる方
🏠 対象となる方・主な訪問エリア
在宅緩和ケアは、病名だけで対象が決まるものではありません。通院の負担、症状のつらさ、退院後の生活、必要な医療処置、ご家族や介護サービスの支援体制を確認しながら、在宅で安心して過ごすための方法を考えていきます。
通院が難しく、在宅での療養を希望される方
がん、神経難病、心不全、呼吸不全、腎不全、認知症、老衰などで、痛み・息苦しさ・不安・食欲低下・介護負担などがある方が相談対象です。
大東市・四條畷市・門真市・寝屋川市および周辺地域
訪問エリアは、住所、病状、必要な医療処置、訪問頻度、緊急時の支援体制を確認しながら調整します。
退院前から在宅療養の準備を相談できます
退院予定日、必要な医療処置、訪問看護・薬局・ケアマネジャーとの連携状況を確認しながら、在宅療養の開始に向けて準備を進めます。
緩和ケアとは
🌿 緩和ケアは「治療をやめること」ではありません
WHOによる緩和ケアの定義(2002年)定訳
緩和ケアとは、生命を脅かす病に関連する問題に直面している患者とその家族のQOLを、痛みやその他の身体的・心理社会的・スピリチュアルな問題を早期に見出し的確に評価を行い対応することで、苦痛を予防し和らげることを通して向上させるアプローチである。
緩和ケアは
・痛みやその他のつらい症状を和らげる
・生命を肯定し、死にゆくことを自然な過程と捉える
・死を早めようとしたり遅らせようとしたりするものではない
・心理的およびスピリチュアルなケアを含む
・患者が最期までできる限り能動的に生きられるように支援する体制を提供する
・患者の病の間も死別後も、家族が対処していけるように支援する体制を提供する
・患者と家族のニーズに応えるためにチームアプローチを活用し、必要に応じて死別後のカウンセリングも行う
・QOLを高める。さらに、病の経過にも良い影響を及ぼす可能性がある
・病の早い時期から化学療法や放射線療法などの生存期間の延長を意図して行われる治療と組み合わせて適応でき、つらい合併症をよりよく理解し対処するための精査も含む
出典・引用文献
出典:日本緩和医療学会「WHO(世界保健機関)による緩和ケアの定義(2002)」定訳
https://www.jspm.ne.jp/information/WHO/index.html
引用文献:大坂 巌, 渡邊 清高, 志真 泰夫, 倉持 雅代, 谷田 憲俊, わが国におけるWHO緩和ケア定義の定訳─デルファイ法を用いた緩和ケア関連18団体による共同作成─, Palliative Care Research, 14(2), 61-66, 2019.
J-STAGEで確認する
※上記はWHOによる緩和ケアの定義の引用です。引用内の「死別後のカウンセリング」等を含む具体的な支援内容は、当院で実施可能な内容、地域の支援体制、病状、ご本人・ご家族の希望により内容が異なります。また、「病の経過にも良い影響を及ぼす可能性がある」という記載は、個別の治療結果を保証するものではありません。
💬 早期からの緩和ケア
緩和ケアは、がんの終末期だけに限られるものではありません。がん、神経難病、心不全、呼吸不全、腎不全、認知症、老衰など、生命を脅かす病気に伴う身体のつらさ、気持ちのつらさ、生活上の困りごと、ご家族の不安に向き合う医療・ケアです。
抗がん剤治療、放射線治療、心不全治療、呼吸器治療、神経難病の専門治療などを続けながら、症状緩和を並行して行う場合もあります。相談のタイミングは、最期が近いと感じた時だけではありません。

在宅で相談できること
🩺 在宅緩和ケアの内容
症状、生活環境、ご本人の希望、ご家族の介護状況、訪問看護・薬局・ケアマネジャーとの連携状況を確認し、在宅で行う医療とケアを調整します。
痛み・息苦しさなどの症状緩和
痛み、息苦しさ、吐き気、便秘、食欲低下、不眠、だるさ、むくみなどを確認し、薬剤調整や生活上の工夫を組み合わせます。
薬物療法
鎮痛薬、医療用麻薬、吐き気止め、便秘薬、利尿薬、抗不安薬などを、症状や副作用を確認しながら調整します。
薬以外の工夫
体位調整、環境調整、在宅酸素、呼吸を楽にする工夫、栄養・水分の相談、介護サービスとの調整などを組み合わせます。
医療処置
点滴、在宅酸素、カテーテル、褥瘡処置、胃ろう、中心静脈栄養、在宅輸血などは、病状や支援体制を確認しながら対応内容を調整します。
心のつらさ・せん妄
不安、不眠、混乱、せん妄などを確認し、環境調整、薬剤調整、ご家族への対応方法の説明を行います。
専門治療との連携
緩和照射、神経ブロック、専門検査などが必要と考えられる場合は、希望や病状を確認し、連携医療機関への相談を進めます。
疾患別の支援
📘 がん・難病・心不全・呼吸不全などの在宅緩和ケア
在宅緩和ケアは、病名だけで内容が決まるものではありません。病気の進行、つらい症状、現在の治療、ご本人の希望、ご家族の介護力、訪問看護や薬局との連携状況を確認しながら、在宅で行える医療とケアを組み合わせます。
在宅での支援内容について
以下は一般的な支援内容の例です。実際には、病状、症状の強さ、使用中の薬剤や医療機器、ご本人・ご家族の希望、訪問看護や薬局などの支援体制を確認しながら、在宅でできる医療とケアを組み立てます。
がん
🎗️ がん・進行がんの在宅緩和ケア
痛み、吐き気、食欲低下、便秘、腹水、息苦しさ、不眠、不安、せん妄、ご家族の介護負担などを総合的に確認します。抗がん剤治療や放射線治療と並行して、在宅での症状緩和を行う場合もあります。
▸ 医療用麻薬を含む鎮痛薬の調整、副作用確認
▸ 吐き気、便秘、食欲低下、息苦しさへの対応
▸ 自宅看取り、苦痛緩和、緩和照射の相談
神経難病
🧠 神経難病の在宅緩和ケア
筋萎縮性側索硬化症(ALS)やパーキンソン病関連疾患などでは、呼吸、嚥下、栄養、意思決定、ご家族の介護負担などを継続的に確認します。専門医、訪問看護、薬局、介護職と連携しながら支援します。
▸ 薬剤調整、在宅酸素、非侵襲的人工呼吸器、気管切開、鎮静などの相談
▸ 痰の吸引、唾液、むせ、口腔ケア、嚥下の確認
▸ 胃ろう、栄養、生命維持治療への希望、救急搬送方針の相談
心不全
🫀 慢性心不全の在宅緩和ケア
心不全では、息切れ、呼吸困難、むくみ、だるさ、食欲低下、不安、入退院の繰り返しが問題になることがあります。症状緩和と再入院予防、入院や救急搬送の希望について話し合いながら支援します。
▸ 体位調整、在宅酸素、利尿薬、体重・尿量の確認
▸ 息苦しさに対する薬剤調整
▸ 往診、訪問看護、救急搬送、入院希望の確認
呼吸不全
🫁 COPDや間質性肺炎での在宅緩和ケア
慢性閉塞性肺疾患(COPD)や間質性肺炎などによる慢性呼吸不全では、痰と息苦しさ、それによる活動性や栄養・筋力の低下が問題となることがあります。吸入薬、在宅酸素、呼吸を楽にする生活動作の工夫、不安への対応を組み合わせます。
▸ 吸入薬、在宅酸素、ハイフローセラピー、非侵襲的人工呼吸器の相談
▸ 息苦しさに対する薬剤調整、鎮静の相談
▸ 喀痰吸引や生活環境の確認
嚥下障害
🍽️ 誤嚥性肺炎・嚥下障害の在宅緩和ケア
認知症、脳卒中後遺症、神経難病、がん治療後、老衰などで飲み込みが難しくなると、むせ、肺炎、低栄養、脱水が問題になることがあります。治療を行う場面と、苦痛を和らげることを優先する場面を相談します。
▸ 抗菌薬、点滴、病院受診の希望確認
▸ 吸引、体位調整、口腔ケア、酸素療法の相談
▸ 食形態、食べる量、胃ろう・点滴の相談
老衰・認知症
🌿 老衰・認知症が進んだ方の在宅緩和ケア
老衰や認知症が進むと、食事量の低下、眠っている時間の増加、発熱、脱水、褥瘡、せん妄、転倒、介護負担などが問題になることがあります。苦痛を減らし、本人らしく過ごすための医療を考えます。
▸ 食べられない時の相談、口腔ケア、点滴の必要性確認
▸ 痛み、息苦しさ、発熱、便秘、不眠、せん妄の確認
▸ 褥瘡、清潔ケア、自宅看取り、救急搬送の希望確認
緩和照射
🎗️ がんによる痛み等に対する放射線治療(緩和照射)
緩和照射は、がんによる痛み、しびれ、神経症状、出血、気道・血管・消化管などの圧迫症状を和らげる目的で行われる放射線治療です。薬だけでは症状の調整が難しい場合や、痛みの原因が骨転移など局所にある場合に、緩和ケアの選択肢となることがあります。
照射そのものは放射線治療を行う医療機関で実施されます。在宅医療中に緩和照射が選択肢となる可能性がある場合は、病状やご本人の希望を確認したうえで、放射線治療医や連携医療機関への相談を進めます。
相談が考えられる症状
骨転移などによる痛み、しびれ、神経圧迫症状、出血、気道・血管・消化管の圧迫症状など。適応は病状により異なります。
確認すること
通院や短期入院の可否、画像検査、全身状態、予想される効果と副作用、ご本人の希望、在宅療養との両立を確認します。

※緩和照射の適応、照射方法、治療回数、期待される効果、副作用は病状により異なります。照射の可否は、放射線治療医の診察と医学的判断に基づいて決定されます。
苦痛緩和のための鎮静
🌙 通常の症状緩和で苦痛を和らげきれない場合の選択肢
がん、神経難病、心不全、呼吸不全などの進行した病気では、痛み、息苦しさ、せん妄、不安、強い苦悶などが大きな苦痛になることがあります。多くの場合は、薬剤調整、医療用麻薬、酸素療法、体位調整、環境調整、訪問看護との連携などを組み合わせて症状緩和を行います。
それでも通常の症状緩和を十分に行っても耐えがたい苦痛が残る場合には、苦痛を和らげることを目的として、鎮静薬を用いて意識の水準を調整することがあります。鎮静は「命を短くすること」を目的とするものではなく、治療抵抗性の苦痛を和らげるために慎重に行う医療行為です。
主な状況
痛みや息苦しさが非常に強い場合、終末期せん妄や強い不穏が続く場合、苦痛緩和を優先する方針について話し合う場合などです。
実施前に確認すること
苦痛の原因、これまで行った症状緩和、ご本人の意思や推定意思、ご家族の理解、訪問看護・薬局との連携体制、緊急時の対応方針を確認します。
ご本人・ご家族への説明
何を一番つらく感じているか、どのように過ごしたいか、どこまでの医療を希望するかを確認しながら、鎮静の方法を話し合います。
重要な確認事項
鎮静の適応、薬剤、方法、実施場所は病状により異なります。医学的判断、意思決定、支援体制を確認したうえで進めます。病状や支援体制によっては、病院での対応や入院を含めて相談します。
利用開始の流れ
🧭 在宅緩和ケアの相談から開始まで
1
電話・フォームで相談
患者さん・ご家族、または医療・介護関係者から、現在の状況を分かる範囲でお知らせください。
2
病状・医療処置の確認
主病名、症状、薬剤、必要な医療処置、訪問看護や介護サービスの状況を確認します。
3
訪問エリア・開始時期の確認
訪問エリア、必要な訪問頻度、緊急時の支援体制を確認し、開始時期を調整します。
4
初回訪問・連携開始
初回訪問後、訪問看護、薬局、ケアマネジャー、病院などと情報を共有し、在宅療養を支える体制を整えます。
地域連携
🤝 多職種で在宅療養を支えます
在宅緩和ケアでは、医師だけでなく、訪問看護師、薬剤師、ケアマネジャー、介護職、病院主治医、地域連携室などとの連携が重要です。病状や希望を共有しながら、療養生活を支える体制を整えます。
訪問看護
症状観察、医療処置、清潔ケア、ご家族への説明、緊急時の連絡体制を共有します。
薬局
薬の準備、残薬確認、副作用確認、医療用麻薬や注射薬の調整について連携します。
医療-介護連携
介護サービス、福祉用具、生活環境、介護負担の調整を一緒に行います。
病院連携
退院前相談、診療情報、治療方針、再入院や専門治療の必要性について連携します。
保健所との連携
神経難病や小児の在宅療養では、必要に応じて保健所と情報共有し、療養環境、医療的ケア、災害時の備え、地域の支援制度などについて連携します。
自宅看取り・意思決定支援
🕊️ 自宅看取り・意思決定支援について
自宅看取り
最期まで自宅や施設で過ごしたいというご本人・ご家族の希望を伺いながら、医療と介護の体制を整え、緩和ケアを行いながら在宅での看取りを支えます。病状の変化、苦痛の程度、介護体制、緊急時の連絡方法を確認し、安心して過ごせるよう継続的にケアを行います。
すべての状況で在宅看取りが可能とは限りません。強い苦痛、急な病状変化、医療処置の内容、ご家族の負担などによっては、病院での対応や入院を含めて相談します。
意思決定支援・ACP
在宅緩和ケアでは、ご本人が大切にしたいこと、避けたいこと、希望する療養場所、受けたい医療、受けたくない医療について、繰り返し話し合います。
ご本人が意思を伝えることが難しい場合には、これまでの考え方や生活歴、ご家族の理解をもとに、推定意思を大切にしながら医療・ケアチームで支援します。
医療・介護関係者の方へ
🤝 在宅医療・緩和ケアの引き継ぎをご相談ください
こまくさ在宅クリニックでは、退院後の在宅療養、在宅緩和ケア、自宅・施設での看取り、一時的な在宅療養について、病院・訪問看護・薬局・ケアマネジャーの皆さまと連携しながら支援します。
当院が在宅医療・緩和ケアで引き継ぐこと
病状が進行しており、治療継続が難しくなると予想される、あるいは状態が悪く在宅でのバックアップや一次対応が必要と考えられる段階でご相談ください。
急ぎの紹介や退院日が近い場合も、午前・午後の訪問診療枠を活用し、できる限り早く調整します。
最終的には緩和ケア病棟への入院を希望されている方でも、それまでの一時的な在宅療養を支援します。
退院前カンファレンスには可能な範囲で参加します。対面が難しい場合は、Zoomなどオンラインでの参加も可能です。
